HOMEお知らせ日本古写経研究所Codicologyから見た宋版大蔵経

Codicologyから見た宋版大蔵経

平成25年度シンポジウム発表要旨
石塚 晴通(北海道大学 名誉教授)

Codicologyから見た宋版大蔵経

Codicologyとは、写本のみでなく印刷本も含めてTextの内容・形態を綜合的に扱う文献学である。宋版・勅版等を頂点とする版本学や日本・欧州の古写本・古文書を扱う書誌学・古文書学或いは文献の科学的分析等で扱われてきた内容を綜合的に考えることにより研究の進展を図ろうとする研究分野である。
発表者等は既に、日本の高山寺本や敦煌本・正倉院本等において具体的な成果を示してきたが、其れを宋版大蔵経において見てみようとするのが、本発表の_主旨である。開宝蔵は、写本ではなく版本が正式なText・公的文献となったことを示す最初の具体例であり、そのことは漢字字体(HNGで証明)・書誌体裁から明らかである。漢字字体によって東禅寺版・開元寺版・思渓版・磧沙蔵の性格が示され、それらはそれぞれの書誌全体と関連していることを料紙の科学的分析等も含めたCodicologyの立場より述べる。

お知らせNews

月別
アーカイブArchive