HOMEお知らせ日本古写経研究所令和6年度 第1回公開研究会

令和6年度 第1回公開研究会

日時

2024年5月11日(土)午後3時15~午後5時00分

会場

国際仏教学大学院大学 春日講堂
東京都文京区春日2-8-9
アクセス

発表者

前島信也(国際仏教学大学院大学 日本古写経研究所 主任研究員)
「金剛寺聖教『念仏要文抄』(仮題)について」

【発表要旨】

 本報告は2022年から日本古写経研究所研究員・前島が中心となって行なった研究会「念仏要文抄研究会」の成果を報告するものである。研究会メンバーは以下の通りである。

南宏信(佛教大学准教授)  西村慶哉(世界仏教文化研究センター 博士研究員)  春本龍彬(大正大学綜合仏教研究所 研究員) 井上慶淳(浄土真宗本願寺派総合研究所 研究助手)  深見慧隆(龍谷大学 非常勤講師)  松尾善匠(東京大学博士後期課程)

天野山金剛寺聖教から発見された『念仏要文抄』(仮題)は、法然・証空・空也・一遍などに関連する資料を収載する文献である。この名称は日本古写経研究所所長・落合俊典氏によって名付けられ、そこに収載される資料のひとつである「踊念仏和讃」を中心に既に報告がなされている。しかしこの文献にはほかにも多数の浄土教関連資料が含まれるが、全体を通して、教学書ではなく、伝記・法語を中心としたものとなっている。

本発表では『念仏要文抄』構成全体を踏まえながら、そこに引用される資料群について検討し、この文献の特徴と価値について報告するものである。

ディディエ・ダヴァン(国文学研究資料館 准教授)
「大燈国師と日本看話禅の転回点-修行としての文献解釈?」

【発表要旨】

宋代以降、公案に集中して悟りに達する事を目指す修行法である「看話禅」は禅宗の主な実践法になり、その状況は今日までに続いている。それに対して、日本禅に二つの大きな特徴があると言える。第一はその看話禅を否定する曹洞宗の繁栄であり、もう一つは日本臨済宗にしか見られない看話禅の変化である。この変化は鎌倉末期に起こり始めて、それによって思想的かつ実践的な大きな転換になって、新しい禅が誕生したと言ってもいい程革新的に看話禅のアプローチを提供した。

その新しい禅の起源は宗峰妙超こと大燈国師(1295-1369)という禅僧によるものであって、後の「大燈派」の中に日本独自の禅が築かれたと言える。その禅の最大の特徴は複数の公案の使用と一種の解釈とも言える「下語」(あぎょ)の独自の扱いである。ある意味では、それは実践の中心に文献の解釈を置く事になると言える。よく知られて、そしてしばしば批判の対象になった「密参禅」との関係を考えながら、本発表ではその新しい禅の誕生を検討したのち、中世後半から近世中期まで続いたこの禅の実践の特徴と進化について考える。

問い合わせ

*参加ご希望の方は、電話、ファックス、葉書または電子メールにて、

5月8日(水)までにお申し込み下さいますようお願い申し上げます

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国際仏教学大学院大学 事務局
〒112-0003 東京都文京区春日2-8-9
電話 03-5981-5271
FAX 03-5981-5283
Email nihonkoshakyo14◆icabs.ac.jp(◆をアットマークに変えてください)

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