HOME修了者の現在2011年3月 博士(文学)学位取得者

2011年3月 博士(文学)学位取得者

私は、2006年4月に本学に入学し、2011年3月に学位を修得しました。本大学に入学するまでは、ビジネスに於ける英語の通訳など畑違いの分野で仕事をしていました。しかし、人生の折り返し地点に来た頃、本当に自分の追求したい事は何かと考えたとき、以前から興味のあった「仏教学」でした。

数十年ぶりの受験勉強の末、このようなバックグラウンドの私でも受け入れて頂き(入学を許可され)、猛勉強の毎日が始まりました。毎日、漢文・古文との格闘です。しかも、文字を読めたからといって、内容が理解できるわけではありません。一言一句、仏のことばの意味は難解で意味深いものでした。何度か挫折しそうになりながらも、ここまで辿り着けたのは、本学の温かくも厳しい先生方のご指導のお陰様です。しかも、ご高名な先生からマンツーマンできめ細かく丁寧なご指導を頂けたことは、私の生涯の宝物です。他の規模の大きな大学院と違い、日本で一番小さい大学院だからこそ叶う、最高の教育をして頂きました。

本大学の図書館の素晴らしさは声を大にして申し上げたいです。私は、仏教学を学ぶ人にとっては本学の図書館は世界一であると感じています。つまり、仏教学を学ぶ上で必要な書籍・雑誌はほとんど本学の図書館で見ることができます。また、もし、叶わない場合でも、優秀な図書館職員の方が迅速に協力してくれます。より良い研究を助成しようとする体制が整っています

また、職員の方々は家族のように、一人ひとりの学生にきめ細かく目を向けてくれます。私達学生がより良い研究ができる環境を常に提供してくれます。

最近建てられた大学のキャンパスの美しさはもう一つの自慢です。徳川慶喜の住居跡に建てられた自然豊かな広々した空間で研究に没頭できることは、この上なく幸せなことです。また、キャンパスの一角にはお茶室も設えられ、「茶禅一味」を学ぶ格好の場となっています。

私は人生の節目に思い切って舵を切りましたが、本学で過した5年間は、心温かな人々、贅沢な環境に囲まれ、学問も心も充実した夢のような素晴らしい時間でした。 学位を取得後は、本学で留学生の教育補助員、某私立大学の仏教文化研究所の兼任研究員、某国立大学の非常勤講師として活動しています。

執筆者は、2011年3月、博士(文学)の学位を取得されました。