国際仏教学大学院大学
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    平成19年度第1回公開研究会 発表要旨
 
上杉 智英(国際仏教学大学院大学 学術フロンティア研究補助員)
檀王法林寺蔵『集諸経礼懺儀』について

 『開元釈教録』の編者である智昇(-730-)は諸経典にみられる礼懺儀を集録し『集諸経礼懺儀』(しゅうしょきょうらいさんぎ)として一切経に入蔵させており、その巻下には善導集記『往生礼讃偈』が輯録されている。『往生礼讃偈』は正倉院文書にもその名が見え、源信撰『往生要集』等の平安期浄土教文献にも引用されるが、本朝に現存するテキストは何れも法然浄土教隆盛以降のものである。このようなテキストの現存状況の中、『往生礼讃偈』研究の新たな視座として平安・鎌倉期書写の一切経中に現存する『集諸経礼懺儀』巻下に着目することでその変遷を探っていきたい。
 本発表では京都檀王法林寺蔵『集諸経礼懺儀』巻下(紺紙金銀字交書)を取り上げ、従来、荒川経と考えられてきた本経典が実際には中尊寺経(清衡経)の一具であることを明らかにした上で、『往生礼讃偈』研究における本経典の意義について言及したい。


  
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