国際仏教学大学院大学
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    平成19年度公開シンポジウム発表要旨 
    

     木村 清孝 (本学教授・学長)

仏教におけるテキストとその媒体

 仏教を研究するときに用いられる資料としては、文字資料のほかにもさまざまなものがある。絵画・彫刻・建築等の芸術的資料、現存する儀礼・舞踊等の宗教学的ないし民俗学的資料、遺物・遺跡等の考古学的資料などである。しかし、その研究上、中心的な位置を占めるものは、膨大な量の文字資料であり、中でも、テキストとして編まれたいわゆる「仏典」であるといってよかろう。本講では、そのような「仏典」― 一般的には経・律・論の「三蔵」に区分される―がいかにして成立し、伝えられてきたのか、それらの媒体としてどういうものがあり、それぞれの媒体の性格はいかなるものか、といった問題に関して整理した上で、現代の新媒体として登場し、急速に普及しつつある電子媒体の特徴とその仏典研究上の問題点について考察してみたい。講演は、次の要領に従って進められよう。

Ⅰ テキストの成立とその流伝
最初期の状況 記憶 宗教体験と思考にもとづく付加・修正・創作 口伝 文字化 翻訳 保存 伝写 印刷 コピー 電子化 散佚・破損・消滅

Ⅱ テキストの媒体
貝葉 木板 紙 石 金属板 電子媒体

Ⅲ 電子媒体をいかに利用するか
①利用の方法
②特徴と問題点
      
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