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平成19年度公開シンポジウム発表要旨 |
下田 正弘 (東京大学大学院教授・大蔵経テキストデータベース研究会代表)
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仏教学デジタル・アーカイブの構築に向けて
―「大正新脩大蔵経テキストデータベース」次世代の局面―
インド撰述部から日本撰述部までを網羅する壮大な仏教文献のコーパス「大正新脩大蔵経テキストデータベース」が、大蔵経テキストデータベース研究会の手によって完成したことにより、仏教研究の直接的対象となる一次情報が、現在利用可能なもっとも整備されたかたちで学界に提供されはじめた。この一次データベースの利用から開かれる次世代の仏教学研究、あるいは人文学研究の可能性は多大なものがある。
これまで世界の研究者から発信され、書誌媒体として保存されながらも、じっさいには図書館や研究の書棚に眠ってきた、個別テキストの訂正・解析等の二次情報を集約してこの基盤データベースに反映させ、日本語や英語をはじめとする複数言語によるレキシコン・翻訳の成果、さらにはサンスクリット語・パーリ語・チベット語等で伝承された同類のテキストデータベースを協働させることにより、大正新脩大蔵経の個々のテキストはその個別性を超え、縦横の研究の拡がりを反映した「超テキスト」へと変貌する。
こうした個別文献のハイパーテキスト化は、一次的、基盤的コーパスから、複合的で発展的なコーパスを編成する作業にほかならず、この過程で世界の研究者たちが同時間的に発信者、受信者となって双方向的に研究を遂行する、あらたな学術ネットワークの創生が促される。大正新脩大蔵経を超えた「次世代大蔵経」編纂への道を開く、この一連のプロセス実現のためには、一方で「大正新脩大蔵経」のテキストの質を高める、学術的に高度で堅緻な編集委員会が必要とされ、他方でさまざまなコーパスの構築を進める――「奈良平安古写経拠点形成」などの――プロジェクトとの緩やかな連携の推進が求められる。
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