平成20年度第2回公開研究会 発表要旨
定 源
(王招国)(国際仏教学大学院大学博士課程・学術フロンティア研究補助員)
新出の古写経本系『護浄経』について
『護浄経』は、訳者・訳年ともに不明の、漢文のみで存する一巻の経典であり、その教説内容は、経題の通り「浄を護る」ことを主旨としている。従来、『大正新脩大蔵経』第17巻に収められている本文によって知られていた。しかし、近年、大阪府河内長野市の金剛寺一切経の調査研究によって、金剛寺一切経の中に含まれる『護浄経』は大正蔵本と同一の経題でありながらも内容の異なる別系統の異本であることが明らかになった。
本発表では、金剛寺本、興聖寺本という新出の日本古写経本を紹介するとともに、特に版本系との異同に注目して検討を加え、その上で、両系統の『護浄経』の成立および相互関係などについて私見を述べることにしたい。
また、新たに明らかとなった『護浄経』と密接な関係を有する敦煌写本『斎法清浄経』を提示し、これらの影響関係を考えた上で、新出の日本古写経本系『護浄経』のテキストとしての資料的価値を位置づける。
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